Quats(第4級アンモニウム塩)、Low Quats(低濃度の第4級アンモニウム塩)…そして Loquats(びわ)?

コンタミネーション コントロールに関する用語(英語ですが)には紛らわしいものがいくつかあります。ここで1例を明確にしておきましょう。”quat”とは、第4級アンモニウム塩として知られる化学物質の種類を短縮した呼び方です。低濃度 quats は、水の殺菌剤として使用されます。これらは “low quats” と呼ばれることもあります。一方、”loquat”(びわ)とは中国原産の酸味のある果物です。

Quats(第4級アンモニウム塩)とLow Quats(低濃度第4級アンモニウム塩)

低濃度の第4級アンモニウム塩を含む家庭用殺菌ワイパーは、スーパーマーケットで売られ、台所や洗面所などの表面清掃に使用されます。このような家庭用の製品はクリーンルームには適していません。

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さらに言うと、家庭用として販売されているワイパーは、クリーンルームで使用することを目的に製造されておりませんので、清浄度が劣ります。そのワイパー素材は、クリーンルームで許容されるレベル以上のダスト・塵、脱落繊維を含んでいます。これらの製品を使用した場合、クリーンルーム内表面を清掃するよりも、むしろ、汚染してしまいます。

通常、洗浄済みポリエステル・ニット、あるいは、ポリエステルとセルロースの水流交絡不織布のクリーンルーム用ワイパーは、第4級アンモニウム塩溶液においても使用が可能です。

Quats(第4級アンモニウム塩)とクリーンルーム

第4級アンモニウム塩自体はどのようなものでしょうか。クリーンルーム用途で有効でしょうか。長所と短所があります。

ヘルスケア、生物工学、製薬、生体医学産業のクリーンルーム用途の場合、第4級アンモニウム塩溶液で環境あるいは製造設備を清掃することにより、特定のクラスのバクテリアの除菌が可能です。

除菌が重要ではないクリーンルーム(たとえば、マイクロエレクトロニクス製造など)の場合、第4級アンモニウム塩溶液による清掃の利点はありません。実際、イソプロピルアルコール(IPA)溶液と比較して、第4級アンモニウム塩溶液は、不揮発性残留物(乾燥した第4級アンモニウム塩からなる)である薄い膜を残すため、接触での汚染原因となる可能性があります。

この残留物を除去するには、IPA 溶液を含ませたワイパーで拭き取る必要があります。二重の拭き取りにはコストも時間も掛かり、IPA 溶液のみで拭き取った場合よりも清浄になるということはありません。

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