クリーンルームの清掃にイソプロピルアルコールが選ばれる理由

イソプロピルアルコール(IPA)は表面を清潔な状態に保つのに適した液体として幅広く使用されています。しかし、メチル、エチル、ブチルアルコールについてはどうでしょうか。これらのタイプのアルコールがクリーンルームのクリーニングに使われていないのはなぜでしょう。性能、安全性、価格に問題があるからです。

メチルアルコールと蒸発

室温では、メチルアルコールはIPAの3倍の蒸気圧があります。このことは、メチルアルコールがより早く蒸発してしまうことを意味し、汚れを効果的に除去するためのワイパーの十分な湿潤を難しくします。さらに、そのより高い蒸気圧は、より多くのアルコールの蒸発を意味し、つまり、クリーンルーム作業者のより高濃度のアルコール蒸気への暴露を意味します。

エチルアルコールと規制

エチルアルコールは、メチルアルコール同様、室温でIPAよりも高い蒸気圧(約36%)を持ちますが、最大の問題は、連邦政府による規制があることです。

エチルアルコールの飲用が可能であることが知られており、連邦政府は変性(メチルアルコールやイソプロピルアルコール、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの溶剤を添加する)を求めています。

純粋なエチルアルコール(変性させていない)を清掃に使用するためには、政府の許可を取得し、用法の追跡手順に従わなければならず、その価値以上に手間がかかります。

ブチルアルコールと溶解性

興味深いことに、ブチルアルコールの蒸気圧は、IPAよりも低いものとなります。分子が大きいため、その蒸気圧は、IPAのものの約1/8です。問題はその臭気と溶解性です。

ブチルアルコールのバナナのような臭いは、クリーンルームでの長時間の使用において、ほとんどの作業者が不快に感じます。より重要なことは、ブチルアルコールのより高い炭化水素の含有により、水への溶解性が10%程度となります。対照的に、IPAはあらゆる濃度での混和が可能です。

IPAと経済性

PAは様々な産業で清掃用途に使用されています。実際、高い純度で大量に製造されています。その生産量と品質によって高い経済性が生まれています。価格的な優位性と入手の容易性がIPAを魅力的な選択肢としています。

また、IPAは、極性(油やグリスの除去のため)、蒸気圧(蒸発速度と臭気の許容)、水との混和性でのバランスでも優れています。

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